信州大学医学部保健学科同窓会会長 川 上 由 行
信州大学名誉教授/医学部特任教授(研究)


松本市広報・公民館報の編集に関わって何年かが経つ。2月の定例編集会議前の雑談で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が話題になった。やり取りを黙って聴いていたが、ここは川上さんに意見を聞かないと、と急に振られた。「大相撲春場所は中止でしょう。春の選抜高校野球も無理だろうし、夏の東京五輪も中止でしょう」。全員がビックリして「じゃあ、終息はいつ頃になりますか?」と聞かれ、「終息しないと思います」と返した。「来年も、再来年になっても終息しないと思います」。これには全員が、『それはありえない』という雰囲気だった。「新型コロナ感染症(COVID-19)は終息せずグローバルに定着し、人間社会を襲い続けるのでは」と話し出した。「一旦は収束に見えても、決して終息はしない」という思いだったが、編集会議の開始時刻になり雑談は尻切れトンボとなった。そして、その続きを話す機会がないまま今に至っている。

COVID-19は保健学科にも多大な影響を撒き散らしている。卒業式・入学式が中止された。ビデオメッセージの同窓会ガイダンスを作成したが、新入生に見てもらう機会は未だ訪れていない。新入生合宿研修も海外研修も何もかもが中止され、通常の授業にまで影響が及んだ。各種会議もZoomのon-lineで行われ、同窓会総会も初の中止に追い込まれた。

今、『終息の見通しは?』と問われても、「終息すればいいなあ」程度の漠然とした思いしかない。悲観的な見方だが「終息しない」シナリオも準備しておくべき」と、思っている。地球上人類との共存に大成功したSARS-CoV-2との継続的バトルを、私たちは不本意ながら許容せざるを得ないのかも知れない。感染宿主であるヒトに致命的な害を与えれば、自らの子孫を残す術を失ってしまう。SARS-CoV-2は、特に若年層へは大きなダメージを与えず、でも感染力は維持したまま、換言すれば、自らの子孫を残す術を確保しながら、と言う憎らしい程の生き残り戦略を獲得したウイルスだと思いす。

長野県は、来年の7 年に1 度の「善光寺ご開帳」開催を2022 年へ延期した。東京五輪も一年延期で来年7 月23 日を開会式とし、「開催の再延期はない!」とIOC は明言した。安倍首相は来年に延期された東京五輪・パラリンピックを、「人類が新型コロナに打ち勝った証とする」と述べた。でも、本当に開催できるでしょうか?感染拡大が地球規模で「収束」し、WHO によるパンデミックの「終息宣言」発布が大前提かも知れないのに。ワクチンによる制圧への取り組みがグローバルに浸透していなければ、仮に日本だけの収束では、何の意味もないのに。五輪・パラリンピックは、世界が平和で安定した社会状況の下で初めて開催できるものなのだら。

3月一杯で退任された金井誠学科長に代わって、
4月に就任された池上俊彦学科長のもと、こんなコロナ禍の中でも、保健学科が着実に成果を積み重ねていくことを信じ、その進展に対して、保健学科同窓会は精一杯のエールを送り続けます。

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